活動情報

2024.01.05

2024(一社)神奈川県建築士会横浜支部 年頭挨拶

 新年明けましておめでとうございます。皆様にとって良い年になることを祈念申し上げます。

 昨年はコロナウィルス禍が収束、活動は例年通りに回復しました。総会、夏の懇親会、日帰りバス旅行、研修会、委員会活動等に多くの会員に参加して戴きました。

 今年は支部創設30周年です。小生が実行委員長として記念事業を秋に計画しております。支部会員が満足する計画を練っており、多くの参加者を期待しております。

 昨夏、猛暑の中、神奈川県建築士会の大きな事業の1,2級建築士学科、製図試験運営は皆様のお力で無事に執行しました。支部長として大変感謝申し上げます。長時間、試験監理員を務められた支部会員の方々は早朝8時から夕方6時過ぎまで協力頂きました。小生は神奈川県建築士審査会の委員です。所掌事務は1.二級建築士試験又は木造建築士試験に関する事務をつかさどること。2.懲戒処分として、二級建築士又は木造建築士の業務の停止又は免許の取消に対する同意を行うこと。3.県指定試験機関の指定にあたって、あらかじめ意見を述べること。4.監督処分として建築士事務所の登録の取消又は閉鎖命令に対する同意を行うことです。二級建築士建築試験で小生が主張していることは①法令集の持ち込みなしでの試験問題作成若しくは新品の法令集を試験時貸与する事②構造。施工の試験時間の短縮です。①は試験監督員が法規の試験での法例集チェックでのトラブル発生防止です。実際試験監督員を務め受験生の法令チェックを行うと書き込みの多い事があります。マニュアルではその法令集を試験場本部に待機される先生方に判断して戴くことになっており、その場合、受験生は20分以上法令集無しの状態です。書き込みが過度であればその前後のページをホチキス止めにして読めない処置等をします。試験終了後その受験生苦情を言われることもあります。そもそも法令集持ち込みなしで試験問題を作成すれば建築士でなくても試験監督員は務まります。そのようなトラブルは発生しません。また構造の試験問題は公式を記憶してないと何時間考えても解けません。問題を持ち帰りたい受験者が何もしないで眠って終了を待つ光景は例年見られます。試験監督員の負担を少なくするために試験時間の短縮は実現されたいと考えてます。

 さて本会、支部通じて大きな問題は会員減少です。神奈川県建築士会会員として様々な行事、活動に参加し自身の知識向上が得られます。会員資格は建築士であることは言うまでもありませんが難度の高い試験、そして取得後はその資格を生かし仕事に没頭し、なかなか建築士会の活動に参加が難しいでしょうす。然しながら建築士法では“建築士会及び建築士会連合会は、建築士の品位の保持及びその業務の進歩改善に資するため会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする。”と定義され、法律や条例変更等を建築士会は様々な職業のへ伝え、指導教育する団体でその役割は重要です。行政に訴え公共工事に参加する設計事務所や施工会社が士会会員を雇用する人数でインセンティブを設けてもらう要請すれば自ずと会員数減少に歯止めがかかると考えます。今年は少しずつ訴えていきます。

 また本年4月より残業規制が始まり働き方改革が更に進みます。今まで以上に仕事の効率化が求められます。建築士会は設計、施工、教育や建築と全く関係のない職務をされている方々の団体です。資格取得者の団体ですそれぞれの業界で対応されているでしょう。

 小生は施工ですが今、若い方の入職が厳しい状態です。週休二日制、残業は少ない事を望んでます。なぜ施工会社に残業が多いか、それは現場での作業が工程管理、安全管理、品質管理、原価管理と多岐にわたり、特に最近は災害が多く安全管理に重点を置いてます。建築物を作っていく過程で設計図は理解しやすく、構造と意匠の食い違いがない図面を求めます。デザインに富んだ奇抜、難解な図面は施工者の負担が多くなります。建築現場の作業は週休二日であっても複雑な設計の仮設計画、施工計画等で結局、元請け施工技術者は土日出勤になります。また多く施工技術者が経験する天井内の設備、電気、建築の調整ですが、少なくても公共建築物に限っては天井をなくす選択肢があります。天井は室内の遮音性、断熱性を高める一方、新川崎市役所の職員執務室は天井がありません。現実に天井が無くても、何も支障のなく仕事をされてます。様々な場面で発注者・設計者の理解が必要でしょう。

 また品位の面で10数年前では考えられなかった社会の変革、ハラスメント、育休、介護等々働く人々を取り巻く環境は法令順守を求められます。

 厳しい環境下でも支部会員の皆様には建築士として襟を正し、業務に打ち込むことが重要です。設計や施工、行政の現場にて建築士の業務は終わりのないと言われたのは昭和の話で、今は効率性を求められております。新しい若い世代の活躍の場を広げるためにご理解頂きたいと存じます。

 終りに本年、支部会員の皆様が大きく飛躍されることを祈念し、年頭の挨拶とさせて頂きます。

(一社)神奈川県建築士会横浜支部 支部長 渡邉一郎

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